神仏習合が色濃く残る隣り合わせの青岸渡寺と那智大社・三重の宝塔からみる日本一の名瀑那智の滝
- 青岸渡寺の一番近い駐車場
- 青岸渡寺の参拝注意点
- 隣り合わせの那智大社
- 三重の宝塔から見える景色とは?
青岸渡寺は四国三十三か所の第一番札所で、熊野那智大社とは隣り合わせです。お寺と神社が隣合わせというのは大変珍しく、神仏習合が色濃く残る場所でもあります。
ここでは、青岸渡寺の駐車場や参拝で間違いやすい注意点、那智大社と三重の宝塔から見える那智の滝ツボを写真を交えて紹介しています。
青岸渡寺の一番近い駐車場
青岸渡寺へは参道入り口から473段の階段を上がります。
車で行く場合は参道登り口のお土産屋さん周辺に駐車場がありますが、防災道路(通行料800円)を通って行くと、青岸渡寺近くまで行くことができます。
途中狭い道もありますが、三重の宝塔の横を通って舗装された坂道を上っていくと広い駐車場があります。(駐車料金は別途必要ありません)
駐車場から歩いてすぐ(お土産屋さんの横)にはお手洗いもあり、駐車場の前から階段を下りると三重の宝塔に行くことができます。
下の駐車場に停めて上がってきた人は、三重の宝塔からそのまま道なりに下って駐車場、または那智の滝まで行く方もいるようです。
那智山青岸渡寺
駐車場から少し歩くとちょっとした広場があり、三重の宝塔越しに見る那智の滝は、紀州を代表する景色のひとつとなっています。パンフレットなどでもよく見られる景色です。
広場には大きなタブノキ通称いぬぐす(犬楠)があり、樹齢約700年と言われています。
青岸渡寺と参拝時の注意点
地元の人が青岸渡寺で故人のお経をあげて貰うことがあり、堂内ではお経が響き渡ります。
個人的にも故人の法要でお経をあげてもらうことがあり、普通に観光で参拝される方にも一緒に参ってもらえるありがたさがあります。
その際、観光客の方がお参りする時に聞こえるのが、手をパンパンと鳴らす二礼二拍手一礼の儀式です。
青岸渡寺はお寺なので神社での二礼二拍手一礼はしません。ドラのようなもの?を鳴らして手を合わせます。(2020年12月現在コロナでの影響でドラのようなものは鳴らせないようになっています)
特に外国観光客の方で間違う人が多いようです。お参りするところには注意書きがありました。
つい、つられて手を鳴らしてしまわないよう、そっと手を合わせましょう。
御朱印帳は堂内でいただくことができます。
あと、青岸渡寺の階段は大変急なので足元は注意が必要です。
熊野那智大社
青岸渡寺から階段を上ったところに那智大社があります。
平重盛が造影奉行となり社殿を整え、後に織田信長の焼き討ちにもあいましたが、豊臣秀吉が再興。その後吉宗らが改修を加えてきたといわれています。
万物の生成、育成を司る神様が祭られており、農林水産業および縁結びに霊験があるとされています。
毎年12月中旬ころに来年の干支である大絵馬(縦2.6m,横3.6)が飾られます。
大絵馬が飾られると、今年も残すところ僅かです。
那智大社の前では護摩木を焚くことができます。神社で護摩木を焚くのは大変珍しく、神仏習合の名残なのでしょうか。
神社内には大樟があって、樹齢は約800年といわれており平重盛の手植えと伝えられています。
また、樟の根幹部は空洞化していて、そこを通り抜ける胎内巡りでは備え付けの護摩木に願い事を書いてお焚き上げをしていただくことができます。(300円)
三重の宝塔から見える景色
三重の宝塔は、(天正9年)1581年に焼失してしまいましたが、昭和47年に再建され今日に至っています。
塔の高さは25メートル、那智の滝と朱の色が大変美しく撮影スポットとしても大変人気となっています。
この三重の宝塔は、入館することができ(大人300円)エレベーターで一番上の層に行くと、日本一の名瀑、那智の滝の滝壺をみることができます。
冬になるとこの滝壺は凍ることがあります。
三重の宝塔からは那智の滝はもちろん、太平洋を望むことができます。
また、三重の宝塔内では天井や板壁画などきらびやかな装飾を見ることができます。
塔三層(3F)には、千手観世音菩薩が安置されており、人間をはじめすべての生き物の願いを叶えてくれる菩薩といわれています。
ぜひお参りしてきてください。
熊野古道大門坂のコースについて
最後に余談ですが、那智大社へ行くまでの道沿いに大門坂駐車場(無料)があるので、そこに車を止めて熊野古道大門坂から那智大社、青岸渡寺、那智の滝と歩くこともおすすめです。
大門坂ルートは、初心者コースで比較的歩きやすいと言われる熊野古道のひとつで、よく観光ガイドやパンフレットで使われる景色を見ることができます。
苔むした石畳が美しいコースです。