神仏習合が色濃く残る那智山青岸渡寺と熊野那智大社・三重の宝塔からの那智の滝つぼ
那智山青岸渡寺は四国三十三か所の第一番札所で、熊野那智大社とは隣り合わせです。お寺と神社が隣合わせというのは大変珍しく、神仏習合が色濃く残る場所でもあります。
ここでは、青岸渡寺駐車場の詳細、参拝で間違いやすい注意点、熊野那智大社と三重の宝塔から見える那智の滝つぼを写真を交えて紹介しています。
那智山青岸渡寺と熊野那智大社に一番近い駐車場
那智山青岸渡寺へは、徒歩ではこの階段を登ってくるのが一般的ですが、車で近くまで行くことも可能です。
那智山青岸渡寺と熊野那智大社に一番近い駐車場は、防災道路を通って上まで登った先にある駐車場です。
詳しく説明していきます。
防災道路の入り口は、那智の滝前の大きなヘアピンカーブを過ぎてお土産屋さんの通りを少し進んだ右側にあります。
料金所で通行料(800円)を支払い、そのまま道なりに進みます。
道幅はあまり広くないので、徒歩で歩いている方には注意が必要です。
防災道路を登っていくと、三重の宝塔の前にも駐車場がありますが、その先三重の宝塔の横にある門を通過し(開門7:00〜閉門17:00)、坂道を上がっていくと青岸渡寺駐車場があります。(駐車料金は別途必要ありません)
青岸渡寺駐車場から歩いてすぐ(お土産屋さんの横)にはお手洗いもあります。
駐車場の前にある階段を降りると三重の宝塔に行くこともできます。
お年寄りや小さなお子様と一緒に青岸渡寺と那智大社を参拝される方は、青岸渡寺駐車場がおすすめです。
余談ですが、防災道路を通らず参道登り口のお土産屋さんなどの駐車場に車を停めて石段を登ってきた人は、青岸渡寺駐車場前の階段を下って三重の宝塔から道なりに防災道路を下ってお土産屋さんに戻る方もいるようです。
お土産屋さん周辺の駐車場は400円、500円などまちまちで、駐車場によっては、食事をすれば無料となる場合があります。
青岸渡寺駐車場から那智山青岸渡寺へ
駐車場から少し歩くとちょっとした広場があります。
三重の宝塔越しに見る那智の滝は、紀州を代表する景色のひとつとなっています。
広場には大きなタブノキ通称いぬぐす(犬楠)があり、樹齢約700年と言われています。
那智山青岸渡寺の建物は、紀南では一番古い重要文化財建造物に指定されています。
曲がった手すりも美しい。
那智山青岸渡寺の参拝時注意点
那智山青岸渡寺での注意点として、お寺であるということが時として忘れられてしまうことです。
「そんなことあるかいな」と言われそうですが、お参りする際に二拍手をしてしまう方がちらほらいらっしゃるようです。
熊野那智大社で参拝を済ませた方が、那智山青岸渡寺でお参りの際に、神社の勢いで手を鳴らしてしまうようです。
青岸渡寺はお寺なので神社での二礼二拍手一礼はしません。ドラを鳴らして静かに合掌します。(2023年2月現在、感染対策により、引き続きドラは鳴らせないようになっています)
また青岸渡寺の階段は大変急なので足元には注意が必要です。
※御朱印帳は堂内でいただくことができます。
那智山青岸渡寺と隣合わせの熊野那智大社
那智山青岸渡寺から少し階段を上ったところに熊野那智大社があります。
平重盛が造影奉行となり社殿を整え、後に織田信長の焼き討ちにもあいましたが、豊臣秀吉が再興。その後吉宗らが改修を加えてきたといわれています。
万物の生成、育成を司る神様が祭られており、農林水産業および縁結びに霊験があるとされています。
毎年12月中旬ころに来年の干支である大絵馬(縦2.6m,横3.6)が飾られます。
2023年は、うさぎの大絵馬です。
那智大社の前では護摩木を焚くことができます。神社で護摩木を焚くのは大変珍しく、神仏習合の名残なのでしょうか。
境内にある大楠は、樹齢約850年あまりといわれており平重盛の手植えと伝えられています。
樟霊社胎内くぐりとは、備え付けの護摩木または祈願絵馬に願い事と名前を書いて捧げ持ち、くす根幹部の空洞化しているところを通り抜け、はしごを使って上り階段を降りて地上へと降ります。
降りたところの絵馬掛けに納め、お焚き上げをしていただきます。(各300円)
チャレンジしたいことや決意表明など、絵馬に託してみるのもいいかもしれませんね。
三重の宝塔とそこから見える那智の滝壺
青岸渡寺駐車場前にある階段を降りると、三重の宝塔があります。
三重の宝塔は、(天正9年)1581年に焼失してしまいましたが、昭和47年に再建され今日に至っています。
塔の高さは25メートル、那智の滝と朱の色が大変美しく撮影スポットとしても大変人気となっています。
この三重の宝塔は、入館することができ(大人300円)エレベーターで一番上の層に行くと、日本一の名瀑、那智の滝の滝壺をみることができます。
三重の宝塔からは那智の滝はもちろん、太平洋を望むことができます。
冬になるとこの滝壺は凍ることがあるそうです。
三重の宝塔内では天井や板壁画などきらびやかな装飾が施されています。
塔三層(3F)には、千手観世音菩薩が安置されており、「人間をはじめすべての生き物の願いを叶えてくれる菩薩」といわれています。
ぜひ機会があればお参りしてきてください。
この記事では、
- 那智山青岸渡寺と熊野那智大社に一番近い駐車場
- 那智山青岸渡寺の参拝注意点
- 隣り合わせの那智山青岸渡寺と熊野那智大社について
- 三重の宝塔内とそこから見える那智の滝壺
についてまとめました。
観光される際には、ご参考になさってください。