初心者でも大丈夫?熊野古道「大門坂」から那智大社・青岸渡寺・那智の滝前バス停までの散策コース
スポンサーリンク
大門坂は、平成16年7月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されました。
この記事では
- 熊野古道大門坂が初心者でも安心して歩けるワケとは?
- 駐車場から大門坂を歩き那智山を観光し駐車場まで戻るコース
をご紹介します。コースの時間については後述しています。
ぜひ最後まで御覧ください。
大門坂が初心者でも安心して歩くことができるワケとは
熊野古道というと、険しい地形を歩くイメージがあり難易度が高そうに思われる方も多いと思います。
確かに熊野古道にはさまざまなルートがあり、体力に自信がない人にはハードルが高いと感じられるかもしれません。
結論から申し上げると、今回ご紹介する大門坂は一般的に初心者でも安心して歩くことができるといわれています。
その理由として、
- ルートが整備されているため迷うことなく歩きやすい
- 熊野古道の中でも距離が短く(約2キロ)標高差もそれほど大きくないので体力的にも負担が少ない
- 青々と茂る木々や石畳など、短い時間で自然や癒やしを感じながら歩けるので、精神的にも余裕ができる
- 駐車場には案内所をはじめ、大門坂周辺にはトイレや飲食施設などがあるため、サポートが受けやすい
大門坂はずっとなだらかな上り坂です。スタコラサッサと歩けば40分〜50分ほどで那智大社に到着することができます。
体力は人によってさまざまですが、一般的にこれら要素が大門坂を選ぶ魅力となっています。
駐車場から大門坂を歩く
大門坂駐車場(無料)から大門坂入り口までは約3分ほどです。この駐車場には観光案内所やトイレがあります。
観光案内所は9時30分からの営業となっていますが、案内所前に観光案内マップが用意されています。
必要な方は、もらっていきましょう。
熊野古道大門坂から那智の滝前バス停までの散策コース
大門坂散策コース
大門坂駐車場8:40・・大門坂入口8:45・・新宮藩の関所跡・振ヶ瀬橋・・鏡石・・夫婦杉8:50・・多富気王子跡・・楠大樹・・十一文関所跡・・参道入口9:15・・実方院跡・・・熊野那智大社9:30・・青岸渡寺・・三重の宝塔10:00・・伏し拝み・・那智の滝前バス停10:20==バス==大門坂駐車場10:30
※那智の滝の観光時間は含まれていませんが内容については後述しています。観光する場合は、30分〜40分くらいみておけば十分だと思います。
それでは早速大門坂を散策してみましょう。
はるか昔、都から往復約一ヶ月かけて歩いたといわれる大門坂の入り口です。
新宮藩の関所跡です。鳥居の先に見える朱色の橋は、振ヶ瀬橋といって、俗世界と霊界の境界とされています。
ここから先は身分に関係なく歩いたといわれ、(身分の高い人は馬からおりたそう)いよいよ聖地への入り口です。
那智の七石のひとつ「鏡石」です。鏡石は全部で7つあり全てに願いをかけると叶うといわれる石です。
ちなみに七石は、鏡石・唐斗石・平石・三ツ石・降石・笈掛石・烏石です。
この先に「唐斗石」と呼ばれる石があるようですが、見落としてしまいました。
「平石」のある場所については、後述しています。
前方に樹齢800年の夫婦杉が見えてきました。
夫婦杉は写真右側が男性で、左側が女性で根っこがつながっているそうです。
このあと続く両側の杉並木の数132本は森林浴効果バツグンです。
熊野九十九王子最終の多富気王子跡です。
自生の樹木や峠の神仏に「手向け(たむけ)」をした場所とされています。
江戸時代には社殿があったようですが熊野那智大社の境内に移され、現在は多富気王子跡として跡地のみとなっています。
樹齢800年の楠大樹は、根元が空洞になっているのが特徴で、幹周8.57m、樹高30mの巨木です。
なだらかな古道をひたすら登っていきます。
この参詣道の石畳数は全部で267段で、その距離約600m余です。
十一関跡は昔、通行税を支払った場所です。
この先坂を上りきったところにはちょっとした広場があり、「大門」があったとされる場所まであともう一息です。
広場から道なりに進むと那智大社・青岸渡寺へと続く参道入口が見えてきました。
この石段を上り熊野那智大社・青岸渡寺へと進みます。
熊野那智大社までは参道入口から約10分ほどです。
ここまで熊野古道「大門坂」について
- 熊野古道大門坂が初心者でも安心して歩けるワケとは?
- 駐車場から大門坂、参道入口まで
をご紹介してきました。続けて参道入口から熊野那智大社・青岸渡寺へと進み那智の滝前バス停までをご紹介します。
参道入口から実方院跡へと進みます。
那智大社・青岸渡寺の参道入口から一の鳥居と二の鳥居へ
実方院跡です。参拝された上皇や法皇の御宿とされました。
モッコクの大樹は県下でも珍しく、樹高10m余、幹周1.8m、樹齢400年といわれています。
モッコクの前にある石は、那智の七石の一つ「平石」です。
平石は、「鏡石」「唐斗石(画像なし)」に続く那智の七石のひとつです。
熊野那智大社の「一の鳥居」が見えてきました。右へ進むと西国第一番札所青岸渡寺へと行くことができます。
私たちは、熊野那智大社の方へ進みます。
二の鳥居が見えてきました。この石段を上がると熊野那智大社です。
青岸渡寺近くの石段を下り山門、三重の塔へと進む
ここから先、三重の塔を過ぎ防災道路から散策道へと進みますが、那智の滝前バス停までは段差のある石段を下ることになるため、足元には注意して歩いてください。
石段下の那智山青岸渡寺の山門です。
山門両側には石獅子像を見ることできます。あ型の口元が印象的な獅子です。
山門を下り、木造の仁王像に見送られて石段を降ります。
降りたところ右へ進めば前述の一の鳥居方面へと進みますが、三重の塔がある左へと進みます。
三重の塔からは、那智の滝つぼをみることができます。
防災道路を進み美しい鎌倉積みの石段から那智の滝前バス停へ
ここから三重の塔を眺めながら防災道路を下ります。
防災道路から右側にある散策道へ抜ける道へと進みます。すると鹿がちょうど草を食んでいました。
那智大滝方面へと進みます。
ここは伏し拝みとよばれる場所です。
毎年7月14日の熊野那智大社例大祭(扇祭と那智の火祭り)で扇立て神事が行われる聖地です。
礎石は建物跡として現在も残されています。
鎌倉積みの石段を原型そのままに残しているといわれています。
この石段を下っていくと那智の滝へと行くことができます。
この石段は、少し段差があるので注意して降りてください。
少し大変ですが、段差のある石段が美しい場所です。
那智の滝前バス停に降りてきました。
もう、このままバスで駐車場まで戻るという方はここから乗車します。
ここから那智の滝へとつながる石段はすぐ目の前です。那智の滝まで往復30分〜40分みれば観光し戻ってくることができるでしょう。元気な方は、バスの時刻を確認してから那智の滝へと進んでください。
那智の滝を参拝!瀧がご神体、飛瀧(ひろう)神社
※以前行った時の画像です
那智の滝の石段を降りてきました。
石段を下っていくと眼前に那智の滝が見えてきます。
石段をおりたところに「光ケ峯遥拝石があります。
案内板によると、「この石を撫でるとその原点(熊野の神様が降臨したと伝えられる御山で光ヶ峯のこと)のお力をいただくことができると伝えられている」とあります。
ご祈願料は100円です。
- 1回撫でる・・縁結び、心願成就
- 2回撫でる・・金運隆昌、家内安全
- 3回撫でる・・厄除け、身体健勝
100円で願いが叶うとは、ありがたい。
授与所横にある入り口から受付を済ませ入場(有料大人300円)すると、瀧を正面間近にみることができる観覧舞台に進むことができます。
那智の滝 の迫力を肌で感じることができます。
また滝壺の水を飲むことができるほか、御瀧水を使ったおみくじもあります。
ここから那智の滝バス停前まで引き返し、バスで大門坂駐車場まで戻ると大門坂を散策するコースは完了です(令和5年5月現在:大門坂Pから那智の滝前まで片道250円、バス乗車時間約6分)。
この記事では、大門坂駐車場から大門坂を歩き、那智大社、青岸渡寺、三重の塔の前を通り、那智の滝前バス停からバスで大門坂駐車場に戻るコースをご案内しました。
那智の滝は以前行ったことがあったため観光しませんでしたが、時間に余裕があり体力がまだある方はぜひご覧になってください。