鬼ヶ城めぐり/岩の彫刻芸術、周回散策道を歩く
鬼ヶ城は、伊勢志摩から続くリアス式海岸の中で最南に位置し、大地震の隆起と荒波の侵食によって作られた石英粗面岩の岩盤を見ることができる観光地です。
毎年8月17日に予定されている熊野大花火大会では、フィナーレを飾る大仕掛け花火の花火玉がここ鬼ヶ城の岩場に置かれます。
爆発音が岩場に共鳴して体に響く体感は、自然のアトラクションといった感じです(2023年は熊野の花火が開催されます)。
熊野灘に面した入り口にある鬼ヶ城センターから約1キロに渡って整備された鬼ヶ城めぐりは、世界遺産の七里御浜海岸をはじめ、大小の奇岩を見ることができます。
この記事では鬼ヶ城めぐりで見ておきたいスポットと鬼ヶ城の西口から駐車場に戻ってくるまでの道のりをご紹介しています。
時間に余裕のある方は、松本峠へ抜ける散策道にも足をのばしてください。
比較的歩きやすいと言われる『熊野古道』松本峠が鬼ケ城へと桜の道でつながっています。鬼ヶ城とセットで観光するのもおすすめです。
合わせて読みたい
鬼ヶ城めぐり
遊歩道を歩くとすぐに見えてくるのが魔見ヶ島で、鬼ヶ城沖合約1.5kmに浮かんでいます。
無人島で地元からはマブリカとも呼ばれ、磯釣りやダイビングスポットとして有名です。
鬼ヶ城の観光は一般的に千畳敷までは道も整備されていますが、その先は遊歩道の道幅も狭く、サンダルやヒールの高いパンプスでは大変危険です。
お酒を飲んだ人も通行できません。
このトンネルをくぐると千畳敷です。
千畳敷(せんじょうじき)
鬼ヶ城一番のみどころとなっている千畳敷です。
千畳敷は上下2段の岩窟となっていて階段でつながっています。
奥の木戸(おくのきど)
『奥の木戸』から道が狭くなり足場も少し悪くなります。
こんな感じの鉄柵スタイルで、断崖絶壁の歩道を歩いていきます。
猿戻(さるもどり)
前回はこの景色を見て足がすくみ、猿戻で引き返しましたが、この日は先へ進むことに。
鬼の風呂桶(おにのふろおけ)
左下の岩のくぼみ部分が『鬼の風呂桶』と言われています。
犬戻り(いぬもどり)
犬は戻っても、まだ先へ進みます。
犬戻りや猿戻りなど桃太郎を連想する名前がところどころに見られます。
木喰岩(きくいいわ)
神楽岩、木喰岩と続きます。神楽岩は大きな2つの岩があり獅子舞の姿のように見えることから神楽岩と言われています。
木喰岩は、太平洋の荒波に持ち上げられた約300トンの大岩の下に、流木が食い込むことから名付けられました。
流木は大波がくるたびに入れ替わるそうです。
鰐岩(わにいわ)と潮吹(しおふき)
鬼ヶ城の中央の突き出た付近の海域で、ワニが泳いでいるようにみえたことから鰐岩と呼ばれるようになりました。
このあたりが『潮吹』と呼ばれる場所で、岩の割れ目に挟まれた大石の下に、両側から波が押し寄せる時、吠えるような音響を発して潮を吹くと言われています。
鬼の見張場
鬼が見たであろう?鬼の見張場からの熊野灘の景色です。
熊野への巡礼者が旅した浜街道として世界遺産登録されている七里御浜海岸が見えます。
飛渡り(とびわたり)
飛渡りとは岩の裂け目が深く入るところで、現在は小さな橋がかかっています。
橋がかかっていない時はここを飛んで渡ったことからこの名前がついています。
蜂の巣(はちのす)
洞窟の天井は無数のくぼみがあり、蜂の巣のように見えます。
波切不動(なみきりふどう)
独特の形をした岩が突き出ています。かつては不動尊のカタチをしていたことからこの名がつけられたそうです。
ここから先は鬼ヶ城西口へと続きます。
鬼ヶ城センター入り口からここまで約40分の遊歩道です。
私たちはこのまま進み鬼ヶ城西口を出て駐車場がある東口へと戻りましたが、鬼ヶ城めぐりは大半の人が途中で引き返します。
鬼ヶ城西口から東口へ
鬼ヶ城西口から国道42号線の高架下を抜け、狭い道をしばらく歩きます。
ところどころ道路に標識があります。
標識通りに進むとトンネルがあります。
このトンネルを通り鬼ヶ城東口へと進みますが、見ての通り昼間でも暗くて長いので、通行の際には注意しましょう。
国道42号線にでました。
陸橋を渡り鬼ヶ城西口から東口までは徒歩で約30分、結構歩きました。
前述しましたが、鬼ヶ城めぐりをするときは、同じ道を引き返して戻るのが一般的ですが、西口から東口まで歩く場合を紹介しました。
鬼ヶ城めぐりは、天候によって通行止めになる場合もあるので案内に従ってください。
足元には十分に気をつけて、ちょっとした散策にはもってこいのこのコースをご堪能ください。